昔話6 一ヶ月のおもちゃ屋店員と人たち

おもちゃ屋店員になった
まず最初に教わったのは、商品の包装方法だった。
キャラメルの包みのような、多くの人がすぐに出来るようなやり方と、デパートなどでギフトなどでしてあるような商品を巻いていくやりかたの2つである
現在ならば、巻いていくやり方の方が綺麗にも見えるし簡単だが、当時の私にはそんなスキルは無かった。ほぼ全ての商品は、キャラメル包みのやりかたでクリスマス商戦を戦う事になる


クリスマス商戦は、おもちゃ屋にとっては稼ぎ時、そこで本部の人が度々店の様子を見に来ることになる。
一人は社長
当然、このおもちゃ屋で1番偉い人。当時は、どうして社長が度々店に来ていたのか分からなかったし、結局その理由を聞く機会も無かったが、今なら想像が付く。
店の様子を見るのと同時に、閉店の段取りなどをスーパーの方と話し合ったりしていたに違いない。
少し体格が良く、大きく良く通る声で早口で喋る人だ。眉が太くて眼もギョロッとした感じで、少し怖そうな感じがする。さすがに社長らしく、ビシッとスーツを着ている
そして部長、本部で卸事業の指揮を執っている人で、クリスマス時期と後の閉店セールの為に各店舗からの商品移管と本部からの卸で売り場の商品を切らさないように走り回って、或いは電話なんかで指揮をしている。
この部長は背が高くてスラッとして、穏やかな笑顔で声は優しくて暖かみがあった。
ポロシャツの上にジャンパーを羽織り、デニムにスニーカーが自然でよく似合う人だ。
私のような新人は、部長が来たときには店長から「部長の指示に従って」と言われ、部長に付いていって車から荷物を下ろすのを手伝い、二人でラベラーで値段シールを貼り付けて商品を並べる事も何度かあった。



そう思えば、部長に良いイメージなのも納得だ